鬱展開かと思いきや・・・「ポアロの栞(しるべ)」(小説家になろう感想)
前回と同じように募集した小説を紹介したいと思います。
というわけで、紹介するのは
「ポアロの栞(しるべ)」
作者様はチャロぼう様。
ジャンルはファンタジー。
だが、作品紹介には「復讐」という単語がある。
復讐モノということは鬱な展開かなあ?と思い進めながら読み進めていく。
と、早速予感的中。
いきなり主人公の孤児院燃えとるやんけ!
壮絶すぎる始まり。
と、思ったら次の話では傭兵同士がコミカルな展開を繰り広げている。
一気に揺り戻されたが、この後の物語は傭兵の1人である「ヘイス」の視点、盗賊の少女「ポアロ」の視点の両方の視点で進んでいく。
そして物語はこのヘイスがポアロの依頼を受けるところから始まる。
「王都までの護衛」という難しくなさそうな依頼ではあるが、盗賊の少女がトラベルメーカーなので最初の町からすらも出て行くことが出来ない。
始まりこそコミカルチックに話が進んで行くが、盗賊の少女の体が傷だらけだったり、「悪魔」という単語が出てきたりと不穏な空気も醸し出される。
ポアロのことを知る、老人や葬儀屋など敵か味方かわからない存在が数多く存在する。
ポアロの過去に一体何があったのか?
そして、ポアロの本当の目的とは?
二人は無事依頼を達成できるのか?
これ以降はネタバレになるので、君の目でよろしく!
https://ncode.syosetu.com/n5899ee/
私は1章までしか読めてないので、そこまでの感想を述べていきたい。
この物語で一番魅力的に感じたのは、この盗賊の少女と傭兵の掛け合いだ。
本来なら傭兵の方が盗賊をいさめる立場だろう。
だが、物語中では盗賊の少女「ポアロ」が傭兵「ヘイス」に良いようにされていく。
原因は二人の性格。
そして、この傭兵「ヘイス」の性格が物語を面白くさせている。
普段はまじめなくせに、少女に対して本気で挑発したり、逆に手玉にとられてしまったりする。
要するに、調子に乗りやすく感情を表に出しやすいタイプ。あと、変態。
さすがに胸の大きさで年齢判定しねえよ、ヘイス。
ヘイスは基本的に災難な目に遭うかわいそうな役所。
だが、すぐ盗みを働こうとするポアロのブレーキ役、もといツッコミ役になっている。
かと思えば、自分も領主の家に忍び込む羽目に。
ポアロを身を挺して守ったりと正義感はあるが、行動はそれに反しているという軸がぶれている。
だが、そういう言動が人間らしさを醸し出して憎めないキャラクターになっている。
なんというか、アポロの面倒見のいいお兄さんのような印象を受けるんだよなあ。
「ポアロ」も性格が面白いというか可愛らしい。
そのくせ過去のトラウマで銃だけでなく、銃口のように真ん中に穴が空いたちくわにさえおびえてしまう。
でも、人を殺すことはけっしてしない優しさを持っている。
そんな魅力的な二人の関係が今作の一番の長所なんだと私は思った。
まだ一章しか読んでないので、これからの物語がどのような展開をしていくのかが非常に楽しみだ。
興味のある人はぜひご一読下さい。
改めてURLを作品の貼っときます。
https://ncode.syosetu.com/n5899ee/
では、ミナサンが多くの作品に出会えることを祈って。