煩悩×ヒーロー!?「無明戦士ボンノウガー」(小説家になろう 感想)
ご紹介頂いた小説の感想、第7弾。
作者様は澄石アラン様。作品の名前は「無明戦士ボンノウガー」。
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ザックリ紹介「無明戦士ボンノウガー」
作品のジャンルは恋愛×特撮ヒーローという異色の組み合わせ。
主人公はネオン街で遊ぶ無法者であり、童貞(ここ重要)の高校生。そんな主人公が性欲に身を任せ、謎の美女を助ける。その美女が持っていたベルトに主人公が適応し、「ボンノウガー」として戦うことになった。しかし、その力の源は己の煩悩。自身の煩悩に向き合いながら戦う主人公は、街の平和を守れるのか・・・。だいたいこんな感じ。
作品を読む前に・・・
こちらの作品を読む前に、注意して欲しいことがある。作者様がこの作品はエロではないとおっしゃっているが、下ネタや結構アダルトな描写が多くあるので、そういうのが苦手な人は要注意。
そして、作品を読む前に「登場人物(イラスト有り)」を是非読んで欲しい。めちゃくちゃイラストが上手いので、キャラクターに対するイメージが湧きやすくなり、本編をスムーズに読めるので、オススメ。
愛すべき性欲に正直な主人公
男というのはどうしようもない生き物で、特に童貞という種類の生き物は常時発情して日々異性の裸体を想像して生活している。そんな悲しくもどこか愛おしい生き物が童貞なのだ。
今作の主人公もそんな童貞丸出しの主人公。ヤクザ相手にイカサマ使ってギャンブルをするほどの不良だが、度胸があるというよりも無鉄砲な性格だ。ギャンブルをしているが頭はよくない、というよりバカ。ヤクザに捜索されているときに
みんな早く家帰って寝ろよ……!
おうちが一番だろうがよ!
と考えるくらい残念な思考をしている。だが、その分自分の感情や欲望には正直だ。そこが非常に魅力的なのだ。美女を見ると、胸の谷間に目が行ったり、休憩場所にHなホテルを選んだりと性欲に対して本当に実直だ。そこがなんというか、男の子なら誰もが経験したであろう、もしくは経験中であろう異性の体に焦がれた日々を思い出して共感してしまう。何というか可愛い後輩を見ているような気分だ。
不良だから、女遊び慣れしてんじゃないのと思ったが、そこも童貞。いざ、Hしようとしたら服を脱がせるのをためらったり、美女の髪の毛のにおいに敏感に反応したりとザ・童貞な反応ばかりでおもしろい。そのせいかエロいはずのシーンも主人公の心理描写のせいで全くエロいというより笑えるシーンになっている。個人的に一番面白かったのは、美女のコスプレを買うシーン。なんのコスプレをさせるかで悩むのだが、めっちゃ長い。ほとんど1話使ってるじゃねーか!作者様もどこに力を入れているのかと爆笑してしまった。
ヒーローとしても魅力的な主人公
これだけ書いていると、主人公がただのバカで童貞という残念な生き物のように思えてしまうかもしれない。 だが、自分の感情に対して正直なのは何も性欲に対してだけはない。ヒロインを助けたい、という感情に対して危険を顧みず行動するような熱血漢な部分もある。そして、戦闘シーンもめっちゃカッコイイ。車や建物をぶっ壊しながら戦うのは、特撮ヒーローっぽくて読み応えがある。ちゃんと必殺技もあるのもヒーローらしくてポイント高い。まあ、初回は外すんだけどね。戦う理由もヒロインの点数稼ぎだけどね。しかも、禍々しい見た目だし。アレ?ホントにヒーローか?まあ、そこはダークヒーローってことで。
そんな王道のヒーローとは一歩ずれているが、しっかりと熱いシーンもあるカッコイイ「ボンノウガー」の勇士を、特に男子諸君には是非読んで貰いたい!
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